CS2のアンチチートを理解する:VAC・VAC Live・BANの違い
試合の中止、SteamプロフィールのBAN表示、セッション認証エラーは、それぞれ別の出来事です。Valveの説明をもとに違いを整理し、BANの観測数から言えることと言えないことを確認します。

VAC・VAC Live・VacNetは同じものではない
| 名称 | 役割 |
|---|---|
| VAC | 検出可能なチートを自動判定し、保護されたサーバーへの接続を制限する仕組み |
| VAC Live | 試合中の検出に応じて試合を終了させる仕組み |
| VacNet | 試合データを処理し、不審なプレイを検出するValveのシステム |
| Trust Factor | 複数の信頼性の情報を使うマッチメイキングの仕組み。BANの種類ではない |
| ゲームBAN | Steamの仕組みを使い、ゲーム側が適用する制限。VACとは別の区分 |
ValveのVAC FAQ は、チートのシグネチャを使う検出を説明しています。Steamworksの資料 では、ゲームBANを別に扱っています。公開プロフィールだけでは、検出の全手順、対象ソフト、決定的だった試合中の瞬間までは分かりません。内部の判定条件や閾値もすべては公開されていません。
BANの観測数と日別グラフ
観測されたSteamのBAN
bans.live ↗7日・30日・90日の期間を選べます。日付は取得できた最新の集計期間を表し、追跡プロフィール数はBAN件数と分けて表示します。
統計を読み込み中…
bans.liveが追跡するSteamプロフィールの標本です。Valveの公式総数やCS2だけの件数ではありません。VACとゲームBANは別々に扱い、コミュニティ・トレード制限は含めません。最終日は集計途中の場合があります。欠測日は0件で補わず、観測日と違反日時も一致するとは限りません。データ元は15分ごとに確認します。 データ元・API ↗
VACが0件という表示は、選んだ期間と観測対象で0件だったという意味です。ゲームBANは別区分であり、すべてのアカウントを追跡しているわけでもありません。観測対象が増えて件数が増える場合もあります。この数値を「CS2のチーター率」と呼んだり、更新の間に架空のBANを加えたりはしません。
検出から通知までに分かっていること
- 1 保護されたサーバーに接続する
VACは保護されたサーバーで動作します。接続したアカウントには、そのゲームのアンチチート規則が適用されます。
- 2 検出情報を処理する
Valveはチートソフトや、不正な優位性を与えるゲームファイルの改変を検出対象として説明しています。プレイヤーの通報と自動検出は同じ情報ではありません。
- 3 実際の制限を確認する
ゲームとSteamの通知を正確に読みます。試合中止、一時制限、永続的なアカウントBANでは影響が異なります。
Steamサポート は、個別の検出原因となったソフトを開示しません。検出回避の手がかりを与えないためです。SteamIDだけで「正確な原因」を断定する外部サイトは、根拠を確認してください。公開通知は結果であって、内部の検出ログではありません。
GDC 2018でのValveの講演 では、John McDonaldがサーバー側のプレイデータから不審な行動を見つける深層学習について説明しました。これはVacNetの歴史的な背景です。2018年の構成や効果の数値を、現在のCS2全体の仕様や実績として扱うことはできません。
公式アップデートの読み方
- 2023年6月の更新 では、試合中のBANとラウンド終了時の試合中止が説明されました。一般にVAC Liveと呼ばれる機能の背景です。
- 2024年8月の更新 では、VacNet 3.0の限定テストと、一部の入力自動化によるキックが別々に案内されました。キックを永続的なVAC BANと混同しないでください。
- 過去の機能発表だけでは、現在の全モードで同じ制裁が適用されるとは断定できません。検出率、全試合の対応状況、BAN実施の予定も、公開されていない限り推測になります。
公式発表の日付と、現在の運用状況は区別して読んでください。この解説の更新日と、上のBAN統計の集計日時も別です。最近の記事や新しい取得時刻だけを根拠に、検出性能が改善した、あるいは停止したとは判断できません。
自分に出た制限を見分ける
| 通知 | 確認すること |
|---|---|
| SteamのVAC BAN | 永続的な制限。誤判定と確認された場合はValveが自動的に解除する |
| SteamのゲームBAN | 対象ゲームの通知と開発元の案内で範囲を確認する |
| 一時的なクールダウン | 表示理由と期間を読む。タイマーだけでVAC BANとは判断しない |
| コミュニティサーバーのBAN | サーバー運営者に確認する。運営者がVAC BANを発行することはできない |
| VACの認証エラー | クライアントやファイル、競合ソフトを確認する。接続エラー自体はBAN通知ではない |
公開プロフィールに制限がないからといって、不正をしていない証明にはなりません。逆に、別のゲームの制限があるだけでCS2での不正が証明されるわけでもありません。対象と通知の種類を分けて判断します。
通報・Trust Factor・よくある誤解
Valveは、通報だけを理由にVAC BANを行うものではないと説明しています。不審な行動を見たらゲーム内の通報機能を使い、大量通報を呼びかけるのではなく、具体的な場面を確認してください。
Trust Factorの公式説明 は、行動やアカウント履歴を使うマッチメイキングについて述べています。個人の点数は公開されていないため、外部サイトの「87点」などを公式数値と考えないでください。また、このCS:GO時代の説明が現在の全判定要素を列挙しているわけではありません。
- ヘッドショット率の高さや偶然の壁抜きだけでは不正と断定できません。デモとラウンドの状況を確認します。
- Prime、高価なスキン、古いアカウントも、すべての行動が公正であることの保証にはなりません。
- ブラウザー上のインベントリ表示やシミュレーターと、ゲームに注入・改変を行うソフトは別です。「スキンチェンジャー」という名称だけで安全性は判断できません。
VACがセッションを認証できない場合
- 1 通知を最後まで読む
BAN通知なのか認証エラーなのかを確認し、正確な文面、日時、画像を保存します。
- 2 再起動とファイル確認を行う
ゲームとSteamを終了してPCを再起動します。CS2のプロパティから「インストール済みファイル」を開き、整合性を確認してください。
- 3 競合するソフトを確認する
ゲームに干渉するソフトを終了し、非公式の改変を外します。続く場合は、該当するエラーのSteam公式手順を確認します。
VAC接続エラーの公式案内 には競合ソフトやクライアント修復の手順があります。ファイルの整合性確認で認証エラーが直ることはありますが、アカウントBANは解除されません。出所不明のDLLや、保護機能の無効化を勧める「修正ツール」は使わないでください。
スキンへの影響とBANの解除
制限は対戦以外に及ぶ場合もあります。SteamはCS2のストア、ドロップ、アイテム取引への影響 を説明しています。インベントリに評価額が表示されても、そのアイテムを売れるとは限りません。Steamに出る実際の制限を確認してください。
VAC BANは永続的で、Steamサポートが個別の依頼で解除するものではありません。誤判定と確認された場合は自動的に解除されます。「有料で解除する」「インベントリ確認が必要」と言う相手に、アカウントやスキンを渡さないでください。
統計で分かる範囲と限界
このグラフは外部のSteamプロフィールデータベース、bans.liveの公開API の集計を使います。Steam GetPlayerBans は指定アカウントの情報を返すもので、世界全体のCS2のBAN総数を返すAPIではありません。VAC、ゲーム、トレード、コミュニティの制限を合算して「チーター数」とはしません。
受け取った日別データだけを描画し、欠測日や不正な応答を0件に置き換えません。取得できない場合は日時付きの保存データと注意表示、または取得不能の案内を出します。取得時刻と元データの集計時刻は別なので、今リクエストしたからといって観測自体が最新とは限りません。
よくある質問
VAC Liveで試合が止まったら永久BANですか?
試合中止だけでは全アカウントの最終状態は分かりません。CS2とSteamに出る実際の通知を確認してください。
通報だけでVAC BANになりますか?
Valveは、通報だけでVAC BANを行うものではないと説明しています。
このグラフはCS2のBANをすべて数えていますか?
いいえ。bans.liveが追跡するSteamプロフィールで観測した数値です。対象範囲と区分はグラフの横に説明しています。
VACが0件でもゲームBANが増えるのはなぜですか?
公開情報上の別区分だからです。標本内の0件だけで、制裁がすべて停止したことや検出性能は判断できません。
再インストールすればBANは消えますか?
消えません。再インストールや整合性確認は認証エラーの修復には役立つ場合がありますが、アカウント制限を解除する操作ではありません。
自分のTrust Factorの正確な数値は見られますか?
Valveは個人の数値を公開していません。外部サービスの評価を公式の点数と混同しないでください。